長く着られる服とは

服の素材
3シーズン目を終えたANDERSEN-ANDERSENのニット。本当に毛玉ができない。

私にとって長く着られる服とは、愛着が持てる服だ。

すぐに伸びたり痛んだりしないで、たくさん着ることができることはもちろん大事
丈夫な素材を使っているか、きちんと縫製されているかはチェックしたい。

でも素材の丈夫さは、人によってはさほど大事ではないかもしれない。

丈夫さを第一考えればナイフや銃弾も通さない化学繊維もあるが、近しい人たちに色々聞いたところ、素材が劣化する前に前に飽きたり、デザインが古くなったり、周りの環境によって着なくなることの方が多いようだ。

人によって考え方は色々あると思うが、いずれにしても手に入れたものが長く使えるのは素晴らしいことだと思う。

使い古してボロボロになったら同じものを買う、というような1着を持っているのは羨ましさすら感じる。デザインの変更がなく長年作り続けられている老舗ブランドの定番商品というのはそういう要素を持っているのかもしれない。

アパレル産業は石油産業に次いで地球環境に影響を与えているとも言われていて、綿や化学繊維などの素材の生産にはじまり、染色、長距離の輸送、大量生産による大量廃棄、リサイクル率の低さなど、多岐にわたる問題を抱えている。

服は道具であり、文化でもある。日本国内だけでも10兆円規模の市場になっていて、個人の取り組みによって仕組みを変えることは難しい。

でも、服は楽しい。何を買おうか選ぶことも、お気に入りのクローゼットで何を着るか選ぶことも、日常的な娯楽になっている。個性を表現する手段であり、人によっては勝負するときの鎧にもなる。その独創的な活動は止めることはできないし、止めるべきではない。

だから、そのモチベーションを、愛着を持つための活動に向けられないだろうか。

素材を知れば服を選ぶときにタグを見るようになるし、品質の評価もできるようになる。

ディテールの由来を知れば、ちょっとした話のタネにもなるし、その服に少し愛着を持つことができる。

修理方法を学んで直すのも愛着を持つきっかけになる。誰かに頼んでも良い。大事に使ったという事実が、愛着につながる。
自分の中に服の楽しみ方を増やしていくことで、今クローゼットの中に眠っている服も長く使える服になるかもしれない。
楽しければ続けられる。

楽しいことを続けることで世界が少しでも良くなるのであれば最高ではないか。

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