フォートナイト問題から見えること

フォートナイトが、アップルのApp Storeから削除されたというのは、現在のインターネットビジネスにおける、象徴的な事件ではないでしょうか。

世界に4億人近い登録者がいて、Eスポーツとして各地で大会も開催されているほどのゲームが、iPhoneでも、iPadでも、Macでもできなくなるというのは、モバイル端末を中心にゲームを展開する企業にとってダメージが大きいと思います。

特に日本におけるiphoneのシェアは、スマホ全体の約50%にもなり、国内での注目度も高まっています。

ここでは、各報道から読み取れる情報を元に、私の見解を述べたいと思います。

騒動の発端

発端となったのはEpicGamesが、AppStoreを介さずに直接EpicGamesに支払いすることができる仕組みをフォートナイト の中に入れたことです。

それはAppStoreでゲームを提供するうえでのガイドラインに違反するということで、Appleはアカウントを凍結しました。

しかしEpicGamesはAppleの判断が不当であるとして、争う姿勢を見せています。

AppStoreでのゲーム販売やゲーム内課金の手数料として、売り上げの30%も支払わさせるのは、市場権力の乱用ではないか、という理屈です。

問題はどこにあるのか

各メディアでは、どっちが悪いとか間違っているというようなことは書いていませんが、普通に考えたらEpicGamesの言い分は稚拙な印象を受けます。

Appleが用意した土俵で、戦うからには、Appleのルールで戦うことは大前提です。

しかし、この騒動の本質はそこではありません。

フォートナイトはGooglePlayなどでも配信されており、SwitchやPS4、PCでもプレイすることができますが、今回、EpicGamesはAppStoreという大きな販路を失いつつあります。

AppStoreの年間売り上げは、2022年までに757億ドル(約8兆円!!)まで伸びるだろうという説もあります。売り上げの30%がアップルの利益になるとしても、5兆円を超える市場です。

Epic Gameでは多くのハードに対応した販路を持っており、他の販路の方が利益率も高いが故に強気なのだと思いますが、そこまで大きくない会社だったら、これはかなりの痛手なのではないかと考えます。

現在のウェブ周りのビジネスはSNSを中心、ゲームは各企業が提供するアプリストアが中止になりつつあります。

情報発信ツールとして重宝していたTwitterのシステムがダウンしたら?

Appleが経営方針見直してAppStoreがなくなったら?

可能性はゼロではありません。

しかし、それがあるのが当たり前、と考えている人も少なくないはずです。

ある梯子を順調に登っていると思っていたら、ある日「この梯子ウチのだからはずしますね〜」と言って取っ払われたら大怪我です。

アプリストアはお客さんを集めてくれる大きなショッピングモールのようなものなのでビジネスチャンスがあることは確かですが、それに頼り過ぎず、直販とか、少し小さいけど堅実な小売店とか、他のチャネルや業態も準備しておくことの大事さを感じています。

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